青のキセキ


とりあえず、今は美空の話を聞くのが先だ。


そう思ったのに、美空は綾に電話してあげてと言った。


至急というからには、何かあったのかもしれないと。







綾に電話を掛けながら、美空が心配するようなことはないと思っていた。

早く電話を済ませて、美空の話を聞こうと思ってた。



「今どこにいるの?」


「え?何で...」


「話があるの」


「話...?」


「電話じゃなくて直接話したいの。今どこ?」


「...何かあったのか?」


「会ってから話すわ。それより、今どこにいるのよ」



「......翔の店だ」



「やっぱりね。丁度良かった。翔にも聞いてもらいたいから、今から行くわ」


クスクスと笑いながらそう言うと、電話を切った綾。



やっぱりって...俺が翔の店ににいると予想してたってことか...。

今からここへ来るって、直接話したいことって何なんだ...?







それにしても、困ったことになった。



翔もきっと怒るだろう...。



それに...美空のことを思うと、胸が痛い。






チッ。





重い足取りで、俺は店の中に戻った。












< 549 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop