青のキセキ
とりあえず、今は美空の話を聞くのが先だ。
そう思ったのに、美空は綾に電話してあげてと言った。
至急というからには、何かあったのかもしれないと。
綾に電話を掛けながら、美空が心配するようなことはないと思っていた。
早く電話を済ませて、美空の話を聞こうと思ってた。
「今どこにいるの?」
「え?何で...」
「話があるの」
「話...?」
「電話じゃなくて直接話したいの。今どこ?」
「...何かあったのか?」
「会ってから話すわ。それより、今どこにいるのよ」
「......翔の店だ」
「やっぱりね。丁度良かった。翔にも聞いてもらいたいから、今から行くわ」
クスクスと笑いながらそう言うと、電話を切った綾。
やっぱりって...俺が翔の店ににいると予想してたってことか...。
今からここへ来るって、直接話したいことって何なんだ...?
それにしても、困ったことになった。
翔もきっと怒るだろう...。
それに...美空のことを思うと、胸が痛い。
チッ。
重い足取りで、俺は店の中に戻った。