青のキセキ
美空を引き寄せ、抱き締めると、髪から漂う甘い香り。


そして、俺を押し退けようと腕を伸ばした彼女は、目を合わさないようにして天を仰いだ。



そんな彼女から飛び出した、『報い』という言葉。





お前が悪いんじゃない。悪いのは俺なのに。




美空は、一つも俺を責めようとはしない。






お前だけのせいじゃない...。




俺達は、ただ愛し合っただけ。





ああ、だからか...。





それが許されないことだと知りながら、俺達はお互いを求め合った。





そのせいで、俺達は報いを受けたんだ。











これ以上、今の美空に何も言えない。俺自身、綾の妊娠に動揺していて、何を言えばいいのかわからない。








だが、美空の『話』が何だったのか気になり、彼女に訊いてみると...



美空から返ってきたのは、会社を辞めるという返事。



何...で...。



美空曰く、みんなに迷惑をかけられないからと。




そんな美空を前に、俺は『わかった』と言うしか出来なくて。



本当は辞めてほしくない。だが、本気だと言う彼女を引き留めることなんて出来なかった。





背を向け、大通りの方へ向かう美空の背を目で追いながら、俺はその場を動けなかった。


















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