青のキセキ
課長と別れたその足で、私は駅前の旅行会社へ行った。
店内に置かれた沢山のパンフレットの中から目的地の物を見つけた私は、近くにあった椅子に座ってパンフレットを見始めた。
エメラルドグリーンの海、真っ白な砂浜。そして、真っ青な空。
私がどうしても行きたいと課長に言った場所。それは...南の小さな島。
この間、テレビで見たんだ。
『海』と『空』が――――まるで一つに繋がっているように見える島を。
お互いを見つめ合っていながらも、決して交わることのない『空』と『海』。
一つになることのない『青い色』が、一体化したように見える島があると知って、行きたいと思った。
私と課長の未来は交わることがないけれど、せめて、二人で海と空が一つに見える景色を見たいと思った。
最後にその景色を二人で見たいと...。