青のキセキ
結局答えが出せないまま時間だけが過ぎて行く。
あれから綾からは毎日のように電話やメールが来るようになった。妊娠したことで機嫌がいいのか、口調が以前に比べて優しく感じられるのは気のせいか。
だが、そんなことを美空には言えるはずもなく。
美空に会いに行っても、ただお茶を飲んでそばにいることしか出来ず。
本当は...美空をもっと近くに感じたかった。抱きたかった。だが、あのことを思い出させるのではないか...と躊躇した。
ただそっと触れることだけしか出来なかった。
そんなある日、綾から昼休みに会いたいと電話があった。
買い物に付き合ってと。
平日の昼休みに会うだけだ。美空には言わない方がいい。
俺はそう判断した。
まさか、その判断が間違ってるなんて思いもしないで。