青のキセキ
別れの時



━━夜明けと共にベッドから出て、私は朝食を作り始めた。


課長はまだぐっすりと眠っているようだ。


たらこを網で焼き、焼き魚も用意した。
玉子焼きと御味噌汁も作った。


納豆も器に入れてテーブルの上に並べる。






時刻は7時。


課長を起こすため、ベッドルームへ行く。



「課長、起きて下さい」


肩を揺すり、声を掛けた。



「ん...」


眉間に皺を寄せ、体を動かした課長にもう一度声を掛ける。


「起きて下さい。朝御飯出来ましたよ」




「ん...わかった」


目を閉じたまま返事をする課長。


「きゃっ!」


突然、腕を引っ張られて課長の上に覆い被さる格好になった。


そのまま、ギュッと抱き締められる。


「課ちょ...」

合わさる二人の唇。


触れるだけの優しい口づけ。





「おはよう」


唇が離れると同時に課長が言った。




「おはようございます」


笑顔で返す私。






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