青のキセキ


昨夜と同じようにテーブルで向かい合って取る朝食。


「これ、めちゃくちゃ美味い」


御味噌汁を飲んだ課長に褒められて、嬉しい。



「本当に?嬉しいです。昨日の晩御飯が洋食だったから、朝は和食にしたんです。また作りますね。あ、次朝御飯作る時は、パンとハムエッグもいいですね」


分かってる。またなんてないって。

次なんてない。

そんな日は来ないって分かってるよ。


だけど、言いたかったの。



ただ、夢を見たかっただけ。




どっちでも俺はいいよ、と笑みを浮かべて美味しそうに私の作った朝食を食べる課長を前に、私は叶うはずのない夢を見たいだけ...。









< 604 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop