青のキセキ

【大和side】





「えぇ!?遥菜ちゃんに会った!?」





午前2時。
俺は、『翔』にいた。


閉店後の静かな店内に翔の声が響く。



目を丸くして驚いている翔。

そりゃそうだろう。俺だってまだ信じられないんたから。




俺は、美空に会った経緯を翔に話した。





「キレイになってて、ドキッとしたよ。元気そうで安心したし、何より......」

一息あけて。


「家族が出来て幸せそうだった」


守るべきものができたから俺の気持ちがわかると彼女は言った。その時の美空の表情は凛として美しかった。



「家族?それって......」


「結婚したってことだろ?」


「確かめたのか?」


真剣な顔で聞く翔。


「確かめるって何を?家族ができるって他にどんな意味があるんだよ」


確かに、美空は『結婚した』とは言わなかった。だが、普通に考えてそれ以外に考えられないだろう。


「なあ、大和。お前はこのままでいいのか?まだ遥菜ちゃんを愛してるんだろ?このまま遥菜ちゃんとまた別れてしまうのかよ」


翔の言っている意味がわからない分からない。

美空にはもう家族がいるんだ。それなのに、別れるも何もないだろうが。








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