青のキセキ
「遥菜ちゃん」
優しい優しい翔さんの声に涙腺が緩む。
ポタリと落ちた涙の雫が、ベージュのスカートに染みる。
その染みが少しずつ大きくなってゆく。
「正直に話したら?」
ふいに後ろから聞こえた葵さんの声。
「突然ごめんなさい。私、真柴葵と言います」
私の肩にそうっと手を置き、自己紹介をした葵さんは、私の隣に腰を下ろした。
「盗み聞きするつもりはなかったんだけど、遥菜ちゃんが深刻そうな顔して男の人と向かい合ってるから気になっちゃって」
翔さんも自分の名前を言って、ここへ来た理由を葵さんに告げた。