青のキセキ
ホテルのカフェで翔さんと向かい合って座る私。
課長から私のことを聞いて、確かめたいことがあって会いに来たのだと翔さんは言った。
久々の再会。久香が臨月に入ったこともあって今日は一緒には来れなかったこと、3年前に突然私が姿を消し、心配してくれたことを聞いた。
そして。
「大和も近くに来てる。でも、大和の前では話せないから、先ず俺だけで会いに来たんだ」
課長も来てる...?近くにいる...?
私に確かめたいこと...?
それって...
「遥菜ちゃん、単刀直入に聞くけど、大和に話した『家族』って、誰?」
黙り込む私を余所に、翔さんは言葉を続ける。
「大和は、遥菜ちゃんが結婚したんだと思ってるみたいだ。本当にそうなの?」
「それは...」
翔さんは薄々気付いてるんだ。
私がまだ課長を愛していること。そして、その『家族』が課長のこどもだということを。
だけど。
それを認めることは許されない。
唇を噛みしめて俯き、膝の上で掌をギュッと握った。