青のキセキ


気が付けば、目の前には幼稚園か保育園だと思われる可愛らしい建物があって、子供たちの元気な声が聞こえてきた。



園庭を見ると、ピンクや水色の帽子を被りスモックを着た園児たちが走り回っていた。


その横には先生だろうか、キャラクターの絵のついたエプロンを身に付けた女性が子供たちに声を掛けている。



わーわー騒ぎながら、元気よく遊ぶ園児をみて、和奏のことを思い出す。





物思いに耽っていると、ふと視線を感じた。

気が付けば、一人の男の子が柵の間から僕のことをじっと見つめていた。



目が合うと、ニッコリと白い歯を見せて笑う男の子。


あ...れ...?


初めて見る子のはずなのに、どこかで見たことがある気がした。


どこで会った...?

前回来たときに、どこかで見かけたのだろうか。




そんなことを考えていると、


「碧くん、一緒に遊ぼ~」

園舎の方から、別の子の声が聞こえてきた。


すると、目の前に居た子が

「バイバイ」

と、手を振り走って行った。




無邪気に遊び回る子供たち。




どうやら、あの子は『みどり』という名前らしい。



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