青のキセキ

「遥菜ちゃん、本当のことを言って。大和のためにも自分のためにも」

それまで黙っていた翔さんが、私が躊躇していると悟って横から口を出す。




課長も翔さんも、本当のことを言えと言う。




彼らの言うとおり、私は本当のことを言った方がいいのかな。


課長のためについた嘘が課長を苦しめてるのなら、私は本当のことを言わなきゃいけないんだろう。



たとえ、それが課長を更に苦しめることになっても。

このまま嘘をつき通して課長を苦しめるよりも、本当のことを知って苦しむ方がマシなのかもしれない。




全部話そう。







「分かりました。本当のことを話します。その前に、場所を変えてもらってもいいですか?碧が...」

碧の手がほんのりと温かくなって、ちらっと碧の顔を見れば、瞼がトロンとして眠そうにしていた。

繋いだ手とは反対側の小さな手でゴシゴシと目を擦る碧をこのままにして話なんて出来ない。


碧を抱っこして、課長の車の後部座席に乗り込む。






課長が運転してくれて、翔さんは助手席。

車が走り出してすぐに、碧はすーすーと寝息をたて始めた。




見慣れた景色が流れるのを見ながら、私は本当のことを話そうと心に決めていた。





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