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「また、後で来るね。」

愛もそう言って席に着いた。

なんかすごく横から視線感じるんですけど…。

やりにくい。

その時、目の前で手がヒラヒラ出てきた。

その手の先にはずっと私を見てる男の子。


「なぁ、俺の声聞こえる?」


多分、そう言ったんだと思う。

私はメモ帳に書いて彼に見せた。

”私は聴覚障害なの。だからあなたの声も言ってる事も分からない。"


彼はそれを見たあとゆっくり話してくれた。

分からないところは、携帯に打ちこんで見せてきた。


彼は、堺 正大と言うらしい。

住んでるところも結構近くて何度か駅で会ったこともあるらしく、じっと見てしまったらしい。
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