男の娘、革命!


「離せっ!だからそいつが俺を騙して……!」


「はいはい、いいから乗ってねー。あ、君は後からママと一緒に署に来てね。また詳しいことは、その時に聞くから」


「騙されんなよっ、そいつは――」


「はいはい、いいから乗れやぁっ!」


パトカーに乗らない犯罪者を押し込むお巡りさん。後部座席の窓から、おっさんが犬童に向かって怒鳴るが、中指立てて、舌を出しておく。


その間、二秒。
お巡りさんも犬童を見たため、しくしく泣き真似をしている内に、パトカーは行ってしまった。


「はっ、豚メシ食ってろや、変質者がっ」


ぺっと、唾を吐きつつ帰路につく。


< 10 / 98 >

この作品をシェア

pagetop