男の娘、革命!
(二)
お気づきかもしれないが、彼の名前は、苺ちゃんではない。
犬童直樹(いぬどう・なおき)、れっきとした♂である。
どこで成長が止まったのか、小学生体型のちんちくりんにして。どこで男性ホルモンがなくなったのか、体毛薄く、一見すればおにゃのこ容姿。
そこにピンクのランドセル背負うなら、誰がどう見ても、可愛いJS。ついつい、お嬢ちゃんアメあげるよと言いたくなる苺ちゃんではあるが。
「ち、ちがっ、そいつが騙したんだっ」
「はいはい、話は署で聞くからね。ともかくも、来なさい」
「っざけんなっ!こっちはそいつに、大事なとこ蹴られたんだぞ!このクソガキ!」
「だ、だって、いき、いきなり、ボクのお尻を揉みくちゃにす、するからっ。ふえぇ、お巡りさーん!」
「はいはい、怖かったねー。力が弱いんだから急所狙うのは当たり前なわけで、自分のやろうとしたこと棚上げしないように。有罪よ、有罪?これからきっちりと、お話聞くから――」