男の娘、革命!
(詰襟学生服に、学帽、黒マント。ありゃあ、確か)
「あ、あのっ、センパイ!」
あんな時代錯誤な格好となれば、犬童の検索ワードに該当するのは一人だけ。
センパイと呼ばれて振り返った少年は、誠実の文字が浮かぶような顔をしている。
「えっと、あなたは」
「苺(ベリー)ですっ」
「……、ああ、犬童くんですね」
「は!?」
なんで知ってんだ、と声が野太くもなる。本名こそは犬童であるものの、あだ名として、このバカっぽく可愛らしい苺ちゃんで通してきたというのに、教師ならばまだしも、どうして自分とあまり接点がないこの男子生徒が……
「あれ、やはり違いますか?噂では、苺ちゃんの本名は犬童直樹であると聞いたんですが」