男の娘、革命!
裏表が激しい、ジキルハイドな男の娘は、内心、ほくそ笑む。
「良かったら、一緒に帰りませんかぁ?ボク、センパイと帰りたいなと、思って。それに、これから暗くなって怖いし……。ボク、一人で歩けない……」
「お断りします」
「わあいっ、センパイと帰れるぅ……って、はああぁ!?」
慌てて口を塞ぐも、よもや断られると思ってなかったものだから、エンジェルスマイルが剥がれる。
(あ、あり得ねえっ。『二人で帰ろうフラグ、よしんばお持ち帰り期待設定』を間髪入れずに拒否!?
い、いや、フラグ云々前に、こんな可愛い子が怖い言うんなら、人として送ってけよっ。襲われたらどうすんの!?)
「せ、センパイは、ボクのこと、嫌いなの?ボク、センパイと仲良くなりたくて……ぐすん」
「嫌いとかそういう問題じゃなくて、命の問題と言いますか……。蜘蛛切持つヤンデレさんが、僕に近づく人を切るというか……、まあ、ともかく、苺くんなら、一人で帰れるでしょう」