男の娘、革命!


なんだろう、『周りからわたるんわたるん言われて、うかれるてめえもムカつく』の言葉がやけにひっかかる。


しかしながら、渉を離すなりに、ぺっと唾を吐き捨てた犬童見ては、やはり気のせいかと思う。


「――で?」


「はい?」


「『で?』、つったら『で?』なんだよっ。答えろっ」


「ええと」


相手が受け取ること前提な変化球添えた言葉のキャッチボールに困惑する。


どうしたものかと思えば、犬童がちらちら自分の顔に目配せするのを見た。


「ああ、傷ですか。特に、もう痛くはないですよ」


「で?」


「痛くはないです……」


「でっ?」


「……、傷も残らないみたいだし、もう平気です」


「はっ、陰険わた公は、もうちょっと痛い目みりゃあいいのによ」


< 93 / 98 >

この作品をシェア

pagetop