シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


『おう、終わったか? こっちは全部終わったぞ。…なあそれより、この着メロ…』


何か言いたげな煌を無視して俺は叫ぶ。


「煌、頼みがある。大至急俺の解答と、翠とレイやお前がやった○の塗り潰しやら下線部や□を答える問題がある長文問題の解答を1山にしてくれないか」


『ああ…だけど何で一緒の山? 正解率が高いのか? まあいいや。おい小猿、玲リス!! 終わったからって喜んで踊ってねえで、こっち手伝え。櫂のと長文問題は"アタリ"のこっち、それ以外が"ハズレ"のこっち。うるせえチビリス!! お前の自信作はあてになんねえの、それも"それ以外"!! …よし、出来た』


ガサガサと音がして数秒後、終了の旨が告げられて。

煌は何気に翠とレイの懐柔が上手い。


「さっき俺が持ち出した解答は、その系統の問題が多かった。それで8問だけの不正解なら、正解とみなされている。で、その山と、それ以外の山の量の割合はどうだ?」


『うーん、半分ってトコかな。若干"アタリ"の山の方が多いかもしんねえけど』


それならいい。不正解率40%以上にはなり難いはずだ。

「煌、次はレイと共に来い。まず解答は俺のとそれ以外のを1枚ずつ持て。後はテトリスの様子を見て1枚か複数枚か判断する」

連鎖などで1回に大量ブロックを消すことが出来れば、"解答を1枚以上提出"及び"不正解率40%以下"の条件を満たしながら、テトリスをする回数だけが減るから、時間のリスクはより回避されるだろう。


『は!!? 俺、リスと!!?』

「ああ、俺は翠と組む。リスでも1人は1人。それに役立つことがちゃんとあった」

『ああああ!!?』

「とりあえず急げ」

『あ、ああ…。おい、リス。来い!! 違うよ、誰もお前に期待などしてねえから。胸張って威張るな、自慢するな。俺と組むん…不平不満を言うな!! 櫂が言うからだ!! ああ、何でこんなチビと…』

「煌、レイは……ああ、悪い。ブロックが落ちてきた。切るぞ」


凹型のブロックが大きくなってくる。

切ったばかりのiPhoneを尻ポケットに突っ込み、積み上がったブロックを踏み付けた俺は、速度を速めて落下するブロックを、歯を食いしばりながら両手で受け止めて置く。


「……っ!! くっ…情けない…」


"犬の散歩"時の枷の重さと同じくらいだが…重力が付加された分だけ、俺の鈍(なま)った筋肉が悲鳴を上げているようだ。


「それでも…直撃ではない分楽なはずなんだけどな…」


思った以上のダメージを腕に抱え、思わず嘆いてしまった俺。
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