カプチーノ·カシス


「――武内さん、大丈夫?」

「なにがですか……?」


お酒が弱いと言っていた割にカクテルを立て続けに飲む彼女に声をかけると、とろんとした口調の返事が返ってきた。

これは……まずい。

歩けなくなって部屋まで送るハメになんてなったら……


「そろそろ出た方がいいみたいですね」


尾崎さんの言葉に頷き彼女の肩を叩くと、少し赤みを帯びた瞳で俺を見つめて立ち上がろうとする。

……が、バランスを崩して俺の腕につかまってきた。

酒の香りに混じって女性特有の甘い香りがぷんとした。


「まずいだろ……」


自分自身も酔いが回っているせいか、妙な気持ちに襲われる。


「会計は俺が済ませるので、吉沢さんは外でタクシー拾ってて下さい」

「え? でも」

「わざわざ大阪まで来て下さったんだ。払わせて下さい」


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