カプチーノ·カシス
尾崎さんの好意に甘えて外に出ると、タクシーはすぐに捕まった。
「武内さん、自分で乗れる?」
「はぁい」
ふにゃりと笑っておぼつかない足取りで何とか乗車すると、彼女は窓にもたれて眠ってしまったようだった。
ため息をついて後ろを振り返るとちょうど尾崎さんが出てきた。
「すいません、ご馳走様です」
「いえいえ、彼女は大丈夫ですか?」
「ええ。ただの飲み過ぎでしょう」
「……そうです、かね」
「え……?」
「いや、とにかく気をつけて」
要領を得ないままタクシーの扉は閉まり、俺と武内さんを乗せて夜の街を走り出した。