カプチーノ·カシス
「本当に来たくないのなら来なければよかったんだ。それとも俺の淹れたコーヒーがそんなに飲みたかったか?」
「……そ、そうよ! さっきも言ったけどあたしはただ純粋にコーヒーを飲みにここへ!」
苦し紛れの言い分だったけれどそれにすがるしかなくて、半ばやけくそになりながらあたしは叫んだ。
「……じゃあ飲めよ。まだこんなに残ってる」
テーブルに手を伸ばしたハルはあたしのカップを持つと、それを一気飲みするようにぐっとあおった。
そして――……
「やめっ――――んぅ!」
ハルはあたしをソファに押し倒し、その口にコーヒーを注ぎ込むべく唇を重ねてきた。
飲み込めなかった大量のカプチーノ・カシスがあたしの口からこぼれ、革のソファを濡らしていく。