カプチーノ·カシス


「そうか……分かった。こっちのことは気にしなくていいから、お母さんに付いていてあげて」


電話を切った課長が、難しい顔をしてあたしを見た。


「誰だったんですか?」

「石原。しばらく休むって。入院中のお母さんの具合が良くないらしい」


お母さん……か。

そういえば綺麗な人だと前に聞いたことがある気がする。

早く元気になればいいけど……


「今日は粉より豆製品の生産が多いから一人欠けるとちょっと痛いけど、なんとか三人でうまく分担しよう」


課長の言葉に、あたしは黙って頷く。

工場で挽くところまで済んでいる粉製品ならばL値を計って飲むだけでいいけれど、豆製品だと挽く手間がある。

確かに、一人居ないのはきついかもしれない。


< 211 / 349 >

この作品をシェア

pagetop