カプチーノ·カシス


あたしも課長もすっかり仕事モードに切り替わり、さっき課長が淹れてたコーヒーを二人してぐいっと飲み干す。


「何淹れたかわかった?」

「味わってる暇ないですよ。しかも冷めてたし。強いて言うなら……ヨーロピアン?」

「お、正解。今日の風味テストは今のでいいか」

「え、でも柏木さんの分は?」

「……彼なら正解するよ。ここに異動してきてから一度もまだ間違えたことがないし」


……そうなんだ。相変わらず凄いな、ハル。

仕事に関しては本当に、尊敬せざるを得ない。


その後、課長は朝の会議に出かけていき、あたしは今日一発目に生産される製品のサンプルを取りに工場へ向かった。
 
ハルが出勤してきたときの気まずさを思うとため息が出そうになるけど、そんなことを感じている間もなく今日は忙しそう。

とりあえず、良かった……かな。


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