カプチーノ·カシス


シャワーの音が響く磨り硝子の向こうにハルの肌色を見つけると、あたしはなんだか楽しくなってきた。

いきなり入っていったら驚くかな。

ハルの意外な表情、また見たい。

あたしは上機嫌で服を脱ぎ、そっと扉に手を掛けて水蒸気の中へと突入した。


頭からシャワーをかけていたハルには、扉の音は聞こえなかったらしく、全く振り返らない。

ゆっくりハルに近づいたあたしは、背中に人差し指でつぅっと一本線を引いた。


「うわ!……なんだ、脅かすなよ」


やった、予想以上の反応。

心の中でガッツポーズを決めていると、フックからシャワーを外したハルがあたしの体にお湯をかけてくれた。


「風呂ためてないから、寒いぞ」

「ん、平気。これから頑張るから」

「……頑張る?」


あたしはハルの足元に膝をつき、“ご奉仕”の対象にそっと手を伸ばした。


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