カプチーノ·カシス


「……なんでもない」

「言えよ、なんて言った」

「ハルのいくときの顔可愛いなって」

「……見え透いた嘘をつくな」


ハルはそう言ってあたしの唇を塞ぐ。

……嘘じゃないのにな。

ああでも、そんなこともうどうでもいいや。


「んっ―――…」


息をつく暇もない激しいキスに、ときどきシャワーのお湯が混じって溺れそうになる。

湯船に浸かったわけでもないのに火照った身体は、二人で沸点に向かうようにさらに熱くなる。


「……ハルのこと…好き………に……なっても、いい……?」

「……聞くまでも……ないだろ」


二人で同じ温度に達し、強く強く抱きしめ合ったあたしたち。


……きっと、ハルのこと好きになれる。

大丈夫。

大丈夫だよ……

きっとハルが課長のことも、忘れさせてくれる―――…


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