カプチーノ·カシス
大きくて黒目がちな瞳で僕を見上げ、長い睫毛をしばたかせる。
その仕草は愛海ちゃんのものによく似ていて、僕は思わずどきりとした。
この子もきっと愛海ちゃんのように自分を可愛く見せる術をよく知っていて、僕に向けてそれを最大限に発揮しているんだ。
………でも、その手には乗らないぞ。
「美波ちゃん、僕だけならまだしも、課長や他のみんなにも心配かけるなんて良くないよ。それに今は仕事中なんだから、仕事のことだけ考えてくれないと困る」
僕はわざと、先輩風を吹かせるような調子で言った。
この子には少しお灸を据えないといけない気がしたからだ。
……でも美波ちゃんは反省するどころか、キッと僕を睨んで言う。
「……石原さんがデートしてくれないのが悪い」