カプチーノ·カシス

美波ちゃんはじっと黙って僕の話に耳を傾けていた。

そして僕が話し終えると、こんなことを言い出した。



「…確かに…格好いいですよね、柏木さん。美波も最初好きになりそうでした」


「……え、最初から僕を好きになってくれてたわけじゃないの?」


思わず体を引き離して美波ちゃんを見ると、彼女はクスリと笑って僕に口づける。



「柏木さんのことは、好きになる前に諦めました。だって、愛海さんを見るときだけすごく優しい目をしてるんだもん。
だからすぐに石原さんに乗り換えて…………石原さん?」



……気に入らない。

それじゃ僕はただの代わりじゃないか。


僕はすっかり騙されたような気分になって、黙り込んでしまった。


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