カプチーノ·カシス

「さっきも言ったけど、僕はちゃんと好きだよ……美波ちゃんのこと」


「美波もそうですよ。きっかけは柏木さんを諦めたことでしたけど、今はもう石原さんしか目に入らないってくらいに好きです」



つまり、と彼女は言葉を継ぎながら、僕の浮かない顔を両手で挟んで瞳をのぞき込んできた。



「大切なのは、今。そうでしょう?」


「今……」


「そうですよ。今、美波は石原さんにメロメロなんです。さっき初めて抱いてもらって、余計に好きになっちゃいました。
……受け身そうなのにとっても情熱的なんだもん」



情熱的……

僕はさっき彼女を抱いていたときの自分を思い出して恥ずかしくなった。

欲望を制御するボタンがどこかへ行ってしまって、加速する身体を止められなかった。

それはやっぱり、僕は“今”彼女を好きだからで……


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