カプチーノ·カシス



「……お前、なんで最後俺の名前を呼んだ」

「え……?」


体力を使い果たしてぐったりと寄り添う布団の中で、ハルがあたしに聞いた。

少し重くなってきたまぶたを押し上げてハルを見上げると、彼はばつが悪そうに呟く。


「お陰で持たなかっただろうが」

「……あ! やっぱり燃えた? ハルが愛海って言うからあたしも、と思って」


そんなあたしの言葉を聞くと、ハルは小さくため息をついて天井を見上げる。


「……ま、そんなこったろうと思ったけどな」

「何が?」

「いや、こっちの話。ところでお前、この後どうすんだ? 帰るのが面倒なら泊まってもいいけど」


ハルの提案にあたしは思いっきり首を横に振った。

場所がホテルであれハルの家であれ、平日は泊まらないのがあたしの中のルール。

だって、明日も仕事だもん。

同じ服で出勤して課長に朝帰りだと思われたら、困る。


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