違う次元の迷子センター
ヨシュアが立ち位置をずらせば、当然ながらその身体を盾にしていた少女の全身が露になる。
 ヨシュアに手を離されて、再び不安げな表情に変わる顔。子どもらしく、パステルカラーでまとめられたワンピースを身に付けていて、そのまま自然に視線を下ろした先には……足が、ない。
 スカートから伸びる脚の膝下辺りがうっすらと透けていて、足首から先は完全になかった。あまりのことに絶句していると、ヨシュアが困ったようなため息を漏らす。
「たまにいるんだよね、成仏しないでUGとRGをうろうろしちゃう子。規定年齢に達してないから、ゲームに参加してるわけでもなさそうだし」
「……幽霊、ってやつ?」
 驚きのあまり、発した声が少し震えてしまったのは不可抗力だと思う。おばけが怖い、なんて股がさけても言えない…。
「うん、いわゆる浮遊霊かな。この子は低位同調が出来てるわけじゃないから、足がないように見えるでしょ? UGの波動はRGだと変換しきれないから、そう見えるんだよね。浮遊霊って、何かしら未練を残して死んだ人がなりやすいんだけど……」
「……っ」
「これじゃ警察に届けるってわけにもいかないでしょ」
 
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