tender dragon Ⅰ
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「美波さん」
「何?」
いつものようにキーをクルクル回しながら、春斗があたしに話しかける。
あの日から、加奈はあたしに話しかけてこない。でも、たまに目が合うとイラついたようにあたしを睨む。
あの様子だとやっぱりあたしが嫌いみたいだ。
「何すか、その空元気」
「え…?」
芽衣はあの日のあの行動で、やっぱり希龍くんの双子の姉だとバレてしまったみたい。
毎日毎日女の子たちに追い回され、質問攻め。それに急激なモテ期の到来だった。
告白ラッシュ。
本人は嫌みたいで、彼氏の遼太くんの機嫌が悪くなるからやめてほしいみたい。
「あたしそんなに分かりやすいかな?」
「はい。分かりやすいっす。」
「……はぁー…」
「希龍さんも葉太さんも、何か様子変ですし。最近3人で話してないですよね?」
「…春斗、鋭いよね。何かあったらいつも春斗が一番最初に気づくもん」