tender dragon Ⅰ
「うん、分かった」
希龍くんは優しく笑うと、あたしの頭を軽くポンッと撫でた。
「希龍、昨日言ってたことなんだけどよー」
葉太が立ち上がってファイルに入った紙を持ってきた。
それを見つめる希龍くんの目は真剣で、さっきみたいなのんびりした雰囲気はない。
ほんとにこれが、あの希龍くんなのかと疑ってしまうくらいに、別人のようだった。
「お前が言ってた通りだった。相当たち悪いみたいだな。薬、暴行、恐喝、窃盗……最近起こってる厄介事は狂羅絡みだ。」
あたしにはよく分からない話だったけど、薬とか暴行とか、単語を聞く限りではあまりいい話ではなさそうだ。
それも狂羅の話みたいだし。
「うちのやつらは1人もやられてないんだっけ?」
「あぁ。やられてないどころか、狂羅と鉢合わせたやつがうちには1人もいねぇんだよ。………お前以外はな。」
「は?」
「あいつらは最初から希龍狙いだ」