tender dragon Ⅰ
あたしが言わなくても知ってたはず。
「だから最近女の子と会ってなかったんだけどなぁ。美波は運が悪かったね。」
こうなることが最初から分かっていたから、女の子との関わりを避けていたけど、あたしは運悪く見られちゃったって……ほんとに運が悪い。
たまたまナンパしてきたのが狂羅で、たまたま助けに入ってくれたのが希龍くんってだけなのに。
「あの…あたしどうすれば…」
「とりあえず、1人で登下校すんの禁止な。あと、親の帰りが遅い日は安田の家に行くこと。」
親の帰りが遅いのはいつものことなのに、そんなに毎日安田さんの家に行くなんて気が引ける。
さすがに迷惑でしょ。
「それっていつまで?」
「狂羅が落ち着くまでだよ。心配しなくても、美波に手出しはさせないから。俺らの言うことはちゃんと守ってね」
希龍くんは優しく笑うと、あたしの頭をポンポンと撫でる。
この人なら、あたしを守ってくれる。そう思えたのは、生きてきた中で2人目だった。