わたしのヒーロー


「さすがですね…。」


「え?なにが?」

「大人と普通に話せるから…。」


「へ!?何言ってんだい!玲海ちゃんもじゅうぶん普通に喋ってると思うけどな?しっかりした子だと思うよ!さすがお姉さんだね♪」


「え!?そ…そうですか!?ありがとうございます…。」


いきなり褒められたのでわたしはなんだかすごく恥ずかしくなった。

「おねーちゃん、この人だれー?」

「え?あぁ、この人は柚希のお兄さんだよ!」

渚がわたしのシャツの裾を引っ張り聞いてきた。

「…あのさ、玲海ちゃん。俺のことお兄さんお兄さん言うけど、名前知らなかったっけ?!」


「はい…。わからないです。」

そういえばわたしはお兄さんの名前を聞いたことがなかった。柚希も兄ちゃんって呼ぶから尚更わからない。

「まじかぁー!そうだ…あのとき言いそびれたんだ。俺の名前は裕希(ひろき)だよ!ちゃんと覚えてね!?」

「はい…。裕希さん…。」

少し大人な男の人の名前を呼ぶってこんなに緊張するんだ。わたしは裕希さんともっと仲良くなりたいなって思った。



「そんなことより!明日から学校一緒に行けるの!?」


「うん!一緒に行こう♪」


わたしたちは約束をして、部屋に入った。そしてわたしたち家族は荷ほどきをして足りないものを買いに行き、家具の設置などをした。その合間に近い部屋の人たちに挨拶しに行ったりした。


明日は渚の誕生日だから、今日中に終わらせなくちゃ!


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