蒼空~キミの名前を呼ぶ~
≪蒼空side≫
「――好き。」
時間が――
止まったような気がした…。
「え…?」
そう言うのがやっとだった。
美紗はハッとしてから、俯いた。
「ふふっ、やっぱり言っちゃったかぁ。
蒼空が悪いんだよ?」
美紗は顔をゆっくりあげて、
まっすぐにオレを見た。
「どういう意味だよ…。」
「蒼空が、昔みたいに笑ってくれたから…っ、
だから…っ!
好きって言っちゃったじゃん…。」
昔みたいに…?
今にも泣きそうなのに、
それでも泣いちゃだめだと抑えるような
顔をして、美紗は話続ける。
「ずっと…、昔から
ずっとずっと大好きだった…。
離れてた間だってずっと……。」
美紗が、オレを…?
「やっと、会えたと思ったら
すっごく冷たいし…っ。
なのに…っ!
そんな笑顔見せるなんて…
――――反則だよ…。」