シンアイ
この状況は不味いんじゃ……。

……あれ?でも高城瑠璃は御園藤の婚約者だから、御園蘇芳に抱き付かれてる分には問題ない……ってそもそも人前で抱き付かれてることが問題なんだった!
資料室での件もあるし、とにかく離れないと!

もがこうとした瞬間御園蘇芳がパッと離れた。

「えっ?」

散々振り回されたのに呆気なく解放されてしまった。
まさか高城瑠璃だから?誤解されたくないとか?やっぱり二人は怪しい関係なの!?
なんて考えていると、御園蘇芳が口を開いた。

「別に?ただウサギはかわいいよなって話してただけ」

「そう。ホームルーム始まるわよ」

納得した!?
しかもあっさり流した!
この反応から察するに、もしかしたら高城瑠璃からは抱き付かれてるところが見えてなかったのかも。だとしたらこっちとしては願ったり叶ったりだ。

御園蘇芳は「そうだな」と良いながら御園藤と教室に入っていった。

何はともあれ万事解決!

「ねぇあなた」

……じゃなかった!!
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