風に恋して
「俺は、お前の身体と心の方が……」

レオが口ごもる。

「大丈夫です。レシステンザも昨夜掛けたばかりで、しばらくは弱まりません」
「リア、でも……っ」

レオが言葉を失ったように固まる。リアがレオに抱きついたからだ。

「大丈夫、です……ね?」

そう、耳元で優しく囁いてリアは身体を離した。レオはそっとリアの頬に手を滑らせる。

「情けないけど、俺は……お前のことを守れるかどうか、不安なんだ。心配なんだ、リア」
「はい……でも、私も貴方の役に立ちたいから」

リアがじっとレオを見つめる。

そして、引き寄せられるようにどちらからともなく唇を重ねた。

最初は軽く、だんだんと熱を帯びて、深く絡み合う吐息。

「ん、はっ……」

リアがギュッとレオの肩にしがみつく。レオもリアの後頭部に手を回し、その存在をしっかりと確かめるように熱を分け合った。
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