風に恋して
「あ、違……」

泣いているのは、自分じゃない。けれど、涙が止まらない。お腹の子が泣き止まないように。

「あ、あの……ごめんなさい。明日会えないって……だから、その、さみ、しく……なって」

咄嗟の言い訳だった。けれど、本心も、入っている。

レオはフッと笑ってリアの涙を拭う。

「ごめんな?すぐ、戻ってくるから。ほら、泣くな……」
「ん……」

レオはもう一度、優しく口付けをしてくれた。

(な、に?どうしたの?)

『ふぇっ、うっ、ぱー、ぱー!』

明日レオに会えないことが、この子にもわかったのだろうか。

「レオっ――」

その子もリアも泣くのを止められなかったけれど、レオはずっと優しく頭を撫でて、安心させるように甘い口付けを繰り返してくれた。リアが眠るまで――
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