風に恋して
「お前たちはどうして俺の部屋だとわかった?」
「お子様が私の元へ来たのですよ」

セストのトラッタメントを終えたらしいイヴァンが近くの椅子にドサッと腰を下ろした。ほとんど休む間もなくトラッタメントを施していたらしく、かなり疲れの色が見える。

「こいつが?」
「はい。私がリア様に気を差し上げたことがあったでしょう?おそらくそれで私を覚えていたのではないかと」

イヴァンがそう言うと、レオの手のひらで遊んでいた風がゆらゆらと彼の元へ吹いていった。

『うーうー』

なるほど、イヴァンにも懐き始めたらしい。

「そうか……助かった」
「いえ、お子様のお手柄ですよ」

イヴァンは微笑んで、額の汗を拭った。

「あとは、セストに任せますから」
「人遣いの荒い人たちだ……」

セストがため息をついてベッドから降りる。部屋の隅のクローゼットから適当な服を取り出してそれを羽織り、リアのベッドへと歩いていった。
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