風に恋して
「ディノ、今の鎮静効果が切れるまであとどれくらい?」
「さっき入れたばっかりだから、2~3時間かなぁ」

セストが頷いてリアの脈を測り、額に手を当てた。

「セスト」

レオは不安になって声をかけた。セストの記憶修正はわずかではあるが、まだ不安が残っている。それを、施しても大丈夫なのだろうか。

「少なくとも、ルミエール城に潜入したときよりは上達しています。それとも、このまま何もせずに壊れていくリア様を見ているおつもりですか?」

相変わらずの物言いだけれど、普段と変わらないセストの態度にレオはなんとなく安心した。

「わかった。頼む」
「承知しました」

そして、セストの気が大きくなる。

「う、あぁっ」
「くっ……」

じっとりと、濃く、繊細に練られていくそれが消えていき、リアとセストから苦しそうな声が漏れる。それが、何十分か続いて……

「はぁっ、はぁ……」

セストがガクッと膝をつく。

「セスト!」

大量の汗をかき、手足を振るわせるセストにディノが駆け寄って気を送ると、少し呼吸が整ったようだ。
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