風に恋して
「うっ、ふぇっ……っく、ぅ」

溢れる涙を拭いながら、子供のように泣くリア。それが、いつかのリアの姿に重なってレオは熱を与えることを止めた。

「リ、ア」

長い息を吐き出して、肌蹴たナイトガウンを直す。

「うぇっ、いや……ふっ、ぅっ」
「悪かった……泣くな」

レオはリアの身体を抱きしめて頭を撫でてやった。しかし、なかなか泣き止まないリアはレオの腕から逃れようとする。

その姿がレオの胸にチクリとした痛みをもたらした。

レオを、忘れてしまったリアの心。彼女の身体には、確かにレオと愛し合っていた記憶がある。だが、リアの心にはその記憶がないからこそ……レオに触れられることがつらいのだろう。心と身体がバラバラになっているようで。

リアに、忘れられてしまったレオ。自分には、心にも身体にもすべての記憶があって……リアに拒まれることが苦しくてたまらない。

泣き止む様子のないリアの身体を抱き上げて、ベッドに横たえシーツを掛けてやった。すると、リアは身体を反転させた。

「リア……食事は、ちゃんとするんだ。いいな?」
「……っ、ぅ……」

リアは答えなかった。声を押し殺して泣き続けている。

そんなリアの頭をしばらく撫でていたレオだったが、最後にリアの髪の毛にキスを落としてリアの部屋を出て、扉に背を預けて目を瞑った。

思い出すのは、リアがレオを怖がっていた日々――
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