風に恋して
――レオがその少女に初めて会ったとき、とても綺麗な瞳をしていると思った。真っ直ぐに自分を見つめてくる翡翠色に心を奪われた。小さくて、儚げなその存在を守りたいと思った。
リアがヴィエント城へやってきたとき、彼女は5歳、レオは12歳だった。
父であり当時のヴィエント国王オビディオが懇意にしていたマーレ国王の頼みでリアをこの城に住めるように計らった。特別な力を持つ少女を匿うためだ。
マーレ王国は大陸の小国で、医療技術は発達しているが軍事力としては劣る。その点、大国であるヴィエント王国の軍は規模も大きく、よく統率もとれており優秀だ。ヴィエント王国の方が安全だと判断するのは当然のこと。
幸い、リアの両親リベルトとクラウディアはとても優秀なクラドールで、王家専属クラドールとしての適正試験も問題なく通過した。怪しまれることなくヴィエント城へと入ることができたのだ。
リアは少し怖がりで、いきなり知らない人々の溢れる大きな城へと連れてこられたことに怯えていた。城では年の近い方だったレオも最初は怖がられていたが、根気良く話しかければだんだんと懐いてくれて……とても嬉しかったのを覚えている。
その頃、まだ12歳だったレオには詳しい話は聞かせてもらえなかったけれど、オビディオのいう“特別な力”を抜きにしても、リアが両親と同じくクラドールとしての才能にも恵まれていることはすぐにわかった。
本来、義務教育として学校へ通い始める時期ではあるが、リアは事情が事情なのでヴィエント城でレオと同じように家庭教師から一般知識を学んだ。
その傍ら、元々興味があるのか暇があれば両親にねだってトラッタメントを教わっていたし、読書好きでヴィエント城の図書館に籠もる。天気が良ければ中庭で本を読んでいた。
そんなリアの隣にはいつもレオがいた……
それが、レオとリアの日常だったのだ。それを壊そうとしたのは……レオがリアの“兄”以上になりたかったから。
3年前――それはまだ昨日のことのようにレオの記憶にある。
リアがヴィエント城へやってきたとき、彼女は5歳、レオは12歳だった。
父であり当時のヴィエント国王オビディオが懇意にしていたマーレ国王の頼みでリアをこの城に住めるように計らった。特別な力を持つ少女を匿うためだ。
マーレ王国は大陸の小国で、医療技術は発達しているが軍事力としては劣る。その点、大国であるヴィエント王国の軍は規模も大きく、よく統率もとれており優秀だ。ヴィエント王国の方が安全だと判断するのは当然のこと。
幸い、リアの両親リベルトとクラウディアはとても優秀なクラドールで、王家専属クラドールとしての適正試験も問題なく通過した。怪しまれることなくヴィエント城へと入ることができたのだ。
リアは少し怖がりで、いきなり知らない人々の溢れる大きな城へと連れてこられたことに怯えていた。城では年の近い方だったレオも最初は怖がられていたが、根気良く話しかければだんだんと懐いてくれて……とても嬉しかったのを覚えている。
その頃、まだ12歳だったレオには詳しい話は聞かせてもらえなかったけれど、オビディオのいう“特別な力”を抜きにしても、リアが両親と同じくクラドールとしての才能にも恵まれていることはすぐにわかった。
本来、義務教育として学校へ通い始める時期ではあるが、リアは事情が事情なのでヴィエント城でレオと同じように家庭教師から一般知識を学んだ。
その傍ら、元々興味があるのか暇があれば両親にねだってトラッタメントを教わっていたし、読書好きでヴィエント城の図書館に籠もる。天気が良ければ中庭で本を読んでいた。
そんなリアの隣にはいつもレオがいた……
それが、レオとリアの日常だったのだ。それを壊そうとしたのは……レオがリアの“兄”以上になりたかったから。
3年前――それはまだ昨日のことのようにレオの記憶にある。