「すき。」ただそれだけ…。
君との出会い
もう何年たったかな?

今は中学1年。

入学式にも親が来てくれなかった。真侑さんも忙しくて一人だった。知らない子ばかり。

でも私はいい子。皆に笑顔でしゃべりかけた。

教室に入った。皆友達としゃべっている。一人で外を見ていた私にしゃべりかけてくれたの
は、新開 玲央(れお)ちゃん。すぐにしゃべれた。

「水菜!!」

「どうしたの玲央?」

「一緒に帰ろ?」

「うん。いいよ!!」

二人目の友達。嬉しかった。

隣の子は、休み…。

ついてないといえばついてない。

帰りに、玲央としゃべりながら帰った。すごく楽しかった。

久しぶりだ。大知君を思い出した。なぜか無性に会いたくなった。

家に帰ると、真侑さんが来てくれていた。

「おかえり。水菜。」

「真侑さん。」

「ご飯作ってあるから、今日は一緒に食べよう?楽たちも来てるよ。」

「ほんと!?」

「おお!水菜!!」

「水ちゃん!!」

「水菜ーーー!」

出てきた順で、真侑さんの子供の長女 楽(らく)、三女 結(ゆい)、次女 來(らい)だ。

たまに来てくれる。

皆まだ小学校。私にとっていとこだ。楽しい。

でもここでも本当の自分ではいられない。

「水ちゃん。遊ぼう!」

「ご飯食べてからね。」

「水菜。早くたべよっ。」

「うん。」

今日は、すごく楽しい日だった。お母さんがいなくなった前の日も楽しかったな…。
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