純潔の姫と真紅の騎士
アリウムはガバッと起きあがった。
額を押さえて荒い息を整える。
しばらくそうしていると、目の前にホットミルクが差し出された。
見上げると、確か……。
「ディティル・カイだ。まだ夜は明けてない。これを飲んだら寝ろ」
アリウムはカイの姿を呆然と見つつホットミルクを受け取った。
カイは適当に椅子を持ち出して、アリウムの寝ているベットの隣に座った。
「悪いな。アネモネは人の心を強く感じる力を持っているためか、スイレンとやらの気持ちも自分なりに考えてしまったんだろう。実際、スイレンがあぁいう風に思っているとは限らない。気にするな。それにアレはあの人形に話しかけているだけで俺たちに話しかけていたわけではない」
アリウムはまだぼんやりしている頭をハッキリさせることなく呟いた。
「でも、本当なの……。スイレン様は神に裏切られたんだわ。本当に、言葉で言い表せないくらい可哀想……」
カイは足を組んでアリウムをみた。
「アリウムに頼みたいことがある」
カイの真剣な表情にアリウムは思わず背筋を伸ばした。
「はい、何でしょう」
「スイレンと話をしてみたい。それは可能か?」
アリウムは目を見開き、口をぱくぱくと金魚のように動かした。
それでも驚いて声が出ない様子をみたカイが苦笑を浮かべた。
「まぁ、無理だろうがな……」
そこでようやくアリウムは口を閉じて少し考えるように顎に手を添えた。
「できないですね……。ですが……あなたの知りたいことをあたしがスイレン様に聞いて、その答えをあなたに手紙として渡すことはできます」
「そうか。それでいい。返事がなくてもいい。とりあえず、この質問をしてくれ」
アリウムはそっとカイの手から紙を受け取った。
額を押さえて荒い息を整える。
しばらくそうしていると、目の前にホットミルクが差し出された。
見上げると、確か……。
「ディティル・カイだ。まだ夜は明けてない。これを飲んだら寝ろ」
アリウムはカイの姿を呆然と見つつホットミルクを受け取った。
カイは適当に椅子を持ち出して、アリウムの寝ているベットの隣に座った。
「悪いな。アネモネは人の心を強く感じる力を持っているためか、スイレンとやらの気持ちも自分なりに考えてしまったんだろう。実際、スイレンがあぁいう風に思っているとは限らない。気にするな。それにアレはあの人形に話しかけているだけで俺たちに話しかけていたわけではない」
アリウムはまだぼんやりしている頭をハッキリさせることなく呟いた。
「でも、本当なの……。スイレン様は神に裏切られたんだわ。本当に、言葉で言い表せないくらい可哀想……」
カイは足を組んでアリウムをみた。
「アリウムに頼みたいことがある」
カイの真剣な表情にアリウムは思わず背筋を伸ばした。
「はい、何でしょう」
「スイレンと話をしてみたい。それは可能か?」
アリウムは目を見開き、口をぱくぱくと金魚のように動かした。
それでも驚いて声が出ない様子をみたカイが苦笑を浮かべた。
「まぁ、無理だろうがな……」
そこでようやくアリウムは口を閉じて少し考えるように顎に手を添えた。
「できないですね……。ですが……あなたの知りたいことをあたしがスイレン様に聞いて、その答えをあなたに手紙として渡すことはできます」
「そうか。それでいい。返事がなくてもいい。とりあえず、この質問をしてくれ」
アリウムはそっとカイの手から紙を受け取った。