純潔の姫と真紅の騎士




ある決意をして足を進めると、背中に風を感じて一度だけ振り返った。

その風の匂いは不思議と懐かしくて、自分の背中を押してくれる気がした。

後ろを振り返ると、<聖剣士六士>が自分を見つめていて、自分に勇気を与えてくれているようだった。

スイレン様を助ける仲間ができた。

それだけでアリウムは嬉しかった。

そして、今すぐに飛んで帰ってスイレン様にカイから受け取った手紙を読んでほしいと思った。

もう、一人じゃない、スイレン様、あなたを必ず闇から救い出しますから。

その願いが叶う日はそう遠くないと感じながらアリウムは一歩踏み出した。
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