続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「たくさんきてくれてうれしいですね。
明日のイベントにもきてくれる人はいますか?」


流暢な日本語で話すペーターと、やつが何を言っているのか耳元で俺に教えてくれるカスミ。

俺だけ足手まといじゃないか!

ペーターは飲み込みが早いとは思っていたが、ここまで上達しているとは思わなかった。

やっぱりハーモニカの練習より、日本語の練習を優先させるべきだったか...。


「せっかくのクリスマスなのに、今、手をあげた人は恋人がいないんですね。」


ペーターは手をあげてくれたファンを見渡した後、ニヤニヤしながらそう言った。

おい!失礼だな!
カップルできてくれてるかもしれないだろ!

ほら、会場のファンがブーイングしてるじゃないか。


...まあいい。

トークは二人に任せることにしよう。

俺は歌とハーモニカ担当で。
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