続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「ああ。だけど......言っておくけど、うちの親厳しいからな。
もし韓国語で話すなら、両親の前では必ず敬語を使うこと。
間違っても俺のことを呼び捨てにするなよ。呼び方はヨンウンさんとか......、せめてオッパな。
礼儀正しい女を演じてくれ。女優なんだからできるだろ?」


オッパも親の前ではあまり良くないが、呼び捨てよりかはマシだろう。

こいつを親に会わせるなんて、一体俺は何を血迷っているのか。

ただでさえ外国人ということで驚かれそうなのに......いや俺は外国で暮らしてるんだから、それは予想の範囲内か。

しかし、こいつのぶっ飛んだ性格は厳格な俺の親には受け入れがたいだろう。

任せてと得意気なジェニーを信じていいものだろうか。


「何て紹介してくれるの?
大切な人ですとか、婚約者ですとか?」


「だからお前は気が早すぎるって言ってるだろ。今回は友達としてだよ。

......大切な人だって紹介するのは、俺が今より知名度も人気も出て、お前に似合う男になってから、な」


自分で言っていて、キザだなと恥ずかしくなってきたので、天井を見つめながら話す。

ジェニーはどんな顔をしているんだろうな。
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