禁忌
どうしてだろう、さっきから少女の仕草ひとつひとつにドキドキする。
「……お兄さん、……優しいんですね・・・」
少女から言われ、俺はドキっとした。
「・・・そんな、優しくなんてないですよ」
「いえ」
俺の言葉を遮り、少女は続ける。
「……先程、公園でお会いした時に分かりました」
何がわかったのだろう。
俺は、続きの言葉を待った。
「……お兄さん、……私と、お付き合いして下さいませんか……?」
−−−何処か遠くで、教会の鐘の音が聞こえた。