”キレイ”な愛
「いい思い出の代償に。
 じゃあ」


ひらひらと手を振り、華やかな笑顔を見せてドアから出ていった。


「と、いうわけですから」


腹をたてている表情を隠しもせず、涼はさやかに辞表を渡し、足取りも荒々しく去っていった。

さやかは唇に微笑を作った。

やっぱり涼を行かせて正解だった。

相手は綺樹のことを調べているだろうから、利用すると思った。

読みはあたり、居場所の確定ができた。


「さて、では出番ね」


さやかはにっこりと笑って、携帯を手にした。
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