小さなチョコの大きな恋物語

『り…りくちゃん?』


辛いことも悲しいことも、全部代わってあげたいと思った。
小さい肩にずっしりとのしかかる重みを、一緒に背負ってあげたいと心から思った。


「俺さぁ…年下じゃんか。」


『うん…』


「背も柚子より小さいじゃん」


『うん…』


「頭だってあんまりよくないし」


「けど…」


俺は前に回って柚子の顔を見た。


「俺柚子のことが好きだ。」


柚子の瞳からまたぽろぽろ涙が溢れてくる。


「今柚子の心にある隙間全部俺が埋めていくから。
何でも頼って?柚子には俺がいるから。」


『……………うん』


柚子は小さくうなずくと少し笑った。


ずっと柚子が笑っていてくれるなら俺なんでもするから…

心の中でそうつぶやいてまたぎゅっと抱きしめた。


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